『第3回YOMO絵本大賞』結果発表!!
『第3回YOMO絵本大賞』の入賞作品【大賞1作品/優秀賞1作品/佳作3作品】を決定いたしました。
2025年8月20日(水)から2025年12月15日(月)までの期間、絵本作品を募集し395作品のご応募をいただきました。
大賞には「タケルくんの どうしてよるになるの?」、優秀賞には「まめぞうせんぱい」が選ばれました。
結果発表ページ:https://www.yomo-ehon.com/contest/ehon_contest3
受賞作品
●大賞

『タケルくんの どうしてよるになるの?』
もりなお
https://www.yomo-ehon.com/products/2110
●優秀賞

『まめぞうせんぱい』
あさお よう
https://www.yomo-ehon.com/products/2087
●佳作

『ソファーの大冒険』
はま みゆき
https://www.yomo-ehon.com/products/1654

『にゃおんとぱおん』
びわこ
https://www.yomo-ehon.com/products/1635

『あなこ』
文 こまつな ちえこ 絵 桃戸 栗子
https://www.yomo-ehon.com/products/1755
大賞受賞者のコメント
もりなお
- 子どものころ、『世界はどうなっているのだろう。自分ってなんだろう。』と、考えるのが好きでした。大きくなるにつれ、日々の当り前があり、たくさんの情報に圧倒され、そんなことを忘れてしまいそうになり、心もとなくなります。空と自分と地面が繋がっていることをちゃんと覚えておくために、この作品をつくりました。
- この度は、大賞にご選出頂き誠にありがとうございます。たくさんの方々に楽しんで頂けたら嬉しいです。
- 審査員
- 藤本ともひこ(絵本作家)/ いしかわこうじ(絵本作家)/ 大塚健太(児童文学作家)/ おくはらゆめ(絵本作家)/ 株式会社ニコモ

YOMO絵本大賞 事務局
作品をご応募いただいた皆さま、ありがとうございました。受賞された皆さま、おめでとうございます!
今回は395作品のご応募をいただきました。個性豊かなすばらしい作品が多く、非常に悩みましたが最終選考は17作品に絞らせていただきました。
審査委員の先生方には厳正に審査していただき、有意義な審査会となりました。
第4回目の開催も予定しておりますので、次回もたくさんの方々のご応募をお待ちしております。
詳細は改めてYOMOサイトに掲載いたします。
この度は応募して下さった皆さまに、心より感謝申し上げます。
最終選考作品(受賞作を除く、順不同)
「まっちょむし」 ふくかわ ゆめみ
「はみだしさんすう」 ウエダアキコ
「げんさんといっしょ」志波イヌヒコ
「くつした くつした どこいった?」 たかいひろこ
「どっちの? どっちの?」 カワラリマー
「おばあちゃんのいえは ちょっとへんやねん」 山﨑たかし
「おひょい」 あぷ
「まっしろおばけとまっくろことば」 文 おかだ くるみ 絵 くどう ことえ
「すすめ でんでん」 たーも しらい
「これくらい だいすき!!」 しろくまおふとん
「パンプンほっぺ」 シホタナ
「ぼくのきもちはどんなあじ?」 ササキ モモ
審査員講評

藤本ともひこ 氏
聞かせたい物語がある。見せたい絵がある。それらを組み合わせて絵本という姿にして、読者にプレゼントをする。それが絵本の王道です。そのために描き続ける。なかなか大変な道なのですが、やりがいのある道です。読んでくれた人が喜んでくれることを夢見てぼくも絵本を毎日書き続けています。
大賞「タケルくんの どうしてよるになるの?」
後半の地球の絵がユニークで説得力があり素晴らしかった。子どもの純粋な疑問に答える展開をきっちり絵で見せてくれる技量も確か。ただ、オープニングの本編とは無関係な風呂のシーンばかりが目立った。それより「夕暮れからきっちり夜になるシーン」をその技量で絵で見せつつ、タケルの疑問に繋がるようこれまた素敵な絵で見たかった。宇宙人シーンも、もっと宇宙人らしいのがいてよくないかなあ。ぼくにはなんか絵画っぽすぎた。でもちゃんと上質なかがくえほんになる可能性を持っています。
優秀賞「まめぞうせんぱい」
豆がスープ皿の上でサーフィンしたりの馬鹿馬鹿しさが大好き。そういうのこそ絵本で見せてくれると本当に嬉しい。最後にまめぞうが帰ろうとしちゃうお茶目さもいい。だけれども、主なテーマは「寒がりの主人公を温める」という物語なのに、最初の方の主人公のこどもが、全然寒そうじゃない。そこんところに瑕疵を感じた。惜しかった。でも単純に面白いから好きです。
佳作「にゃおんとぱおん」
単純明快な幼児絵本。何より繰り返しの言葉のリズムがいい。絵も程よく伴走する。そこが評価ポイント。惜しいのはエンディング。終始代わりばんこに見せてくれる構成だが、クライマックスにふたりで一緒にやるのが「くしゃみ」で、ラストシーンで寝込むなんて。そりゃ残念な結末です。クライマックスは、ふたりでやると、一番楽しいことで締めく
くってほしい。でないと子どもたちからの「もういっかい」率は下がっちゃうよきっと。でもいい線いってます。
佳作「ソファーの大冒険」
めくるめくファンタジーを、的確な技量の絵で見せてくれるのは本当に楽しい。クラーケン的深海のシーンなんて素晴らしい。飾りたいくらい。ただ、絵本としては、ちょっとあちこち行き過ぎでやり過ぎ感があった。見せたい絵がありすぎたんでしょうか。ただジャングルに行くだけではなく、そこでジャングルの冒険をもう一つ見たいのが読者です。ていうか、「ソファーでジャングル大冒険」というワンシチュエーションで見せてくれたらシリーズ化ができます。このままではカレンダーの絵をめくっているようにぼくには見えてしまった。この絵の表現力があればこのネタは十分シリーズ絵本にできます。
佳作「あなこ」
穴の擬人化はユニークで面白い。新たなるシュールなグリム風味の童話絵本になる気がした。モノクロの潔い画面の意図がクライマックスで黒々と発動する。そのための白と黒だった。すごいユニークな着眼点です。しかし!場面によって描き込みの落差が激しかった。森の描き込みは見ていて気持ちいいのに、いきなりスカスカな画面になったりする。ここまできたらしっかりモノクロペン画を見せてほしかった。スイスの木版画家ヴァットンの白黒の画面なんかも見たらすごく刺激受けちゃうと思う。白と黒を極めていい。きっとユニークな絵本になると思います。
選外「はみだしさんすう」
絵・言葉・物語・レイアウト・構成など、申し分ないのです。ぼくはぱっとみ、単純に面白かった。ただ「算数」というのが引っかかる。ぼくは意外な数学好きなので、数学の世界はそもそも美しいので大好きなのです。因数分解の公式が図形化できるってのを、中学の時に知った時のあの感動にこそ、美しい「算数」の醍醐味があったりする。そこを思うと、この絵本の算数の引っ張り方は違和感を感じたわけです。でも、とても気になる着眼です。算数好きにも納得の方向になれば。特に山場がやられっぱなしというのは惜しいです。山場で算数くんの巻き返しとかがほしかったかな。でも発想の練習になる絵本としては面白い!磨いて見てください。
選評なんて一つの参考意見です。的外れだったら無視してください。最後まで作り上げるのは、あなた自身です。そんなあなたの背中が少しでも押せたら幸いです。

いしかわこうじ 氏
今回、最終選考に残った絵本はバラエティに富んでいて、内容も充実した作品が多かったので、審査会では議論がたいへん盛り上がりました。時間がかかりましたが、最後には審査員全員の意見が収斂されていき、良い絵本を選ぶことができたと思います。
大賞に輝いた「タケルくんの どうしてよるになるの?」は、地球と宇宙をテーマにした絵本。広がりや空気感を表現した「絵」には、重ね塗りの深い味わいがあって、良いなあと思いました。科学絵本的でもあり、絵画的な絵本でもある、というのが独特のスタンスで面白いですね。
優秀賞の「まめぞうせんぱい」は、コミカルでシュールな劇を観ているようで楽しい。細い輪郭線とフラットな色面によるシンプルな絵ですが、視点や構図に工夫をこらしているので、動きや迫力が感じられます。
佳作「ソファーの大冒険」は、家に届いた赤いソファで、兄弟が冒険ごっこをするお話。内容的には、やや有りがちな展開では、との意見も出ましたが、絵に元気さがあって、完成度は高いと思いました。
佳作「あなこ」は、穴という虚無の小さな空間が、立体になり、大きくなっていく様子が面白い。古典の童話のような味わいもあります。全ページが白黒で良いのか?については、審査員の間でも意見の分かれるところでした。
佳作「にゃおんとぱおん」は、ポップで不思議に力の抜けた作風が目を引きました。シンプルで、うねるような描線も良い感じです。

大塚健太 氏
今回はテーマが設定されていなかった分、みなさんの個性がはっきりと出ていて、審査員一同、審査にも熱が入り、改めて絵本の面白さを再確認させていただきました。おはなしに関して言えば、尻すぼみ感が否めない作品が散見された印象。もっともっと粘り強く練っていくことがポイントかなと思いました。
大賞「タケルくんのどうしてよるになるの?」
前半をもう少し整理できるとさらにGOOD。お父さんがきっかけではなく、タケルくん自ら湧き上がる疑問から物語がスタートするといいなと思いました。不思議な味わいのある作品で、後半にかけてどんどん引き込まれていきました。
優秀賞「まめぞうせんぱい」
コミカルでダイナミックな絵が面白いですね。まめぞうせんぱいのキャラクターをもっと深掘りできると、さらに魅力が増す気がしました。
佳作「あなこ」
個人的には最後にもう一度、くつ下にまつわるエピソードに戻っていく感じがあるといいなと思いました。気になるタイトル、冒頭のワクワク感は抜群でしたね。
佳作「にゃおんとぱおん」
言葉あそびとテンポが魅力的。風邪っぴきで終わるのではなく、明るくたのしく終わりたいですね。だって「にゃおん」も「ぱおん」も最高に楽しいコトバなんですから。
佳作「ソファーの大冒険」
途中、両親の登場はできるだけない方がより子どもたちの想像の世界にのめり込める気がしました。ソファーを乗り物に見立てる発想はめちゃくちゃ楽しいですね!

おくはらゆめ 氏
前回と同じメンバーでの審査。お互い辛口意見も言いやすい雰囲気で、しっかり相談しながら選びました。
大賞『タケルくんのどうしてよるになるの?』
突出していた訳じゃないけれど、紙の絵本になった姿をいちばん見てみたいと感じた作品でした。自分も子どもの頃に宇宙の事を考えていると怖くなる時がありましたし、大人になってからはこのお話に出てくるお父さんのように逆に勇気をもらう時があるので、共感もしました。本題に入るまでのグダグダ感を無くし、絵が素敵だから、ぜひ夕焼けからの「夜」を魅せてもらえたらうれしいです。
優秀賞『まめぞうせんぱい』
お皿を真上から定点で見てる場面のセンスが良かったです。まめぞうせんぱいのしゃべり方や、はけ方も好きでした。寒いから温まる為にスープを飲むっていうのが、寒そうなのは扉だけなので弱いのと、家の中なら暖房を付けては?などの疑問が生まれました。
佳作3点について。
『あなこ』あなこが大きくなるシーンは迫力がありました。全部を白黒の線画にするなら、もっとカッコ良さを極めてほしい。『ソファーの大冒険』キャットホールや大ダコの絵が印象的。絵も文章も、もっと削っていいかも。『にゃおんとぱおん』軽快な絵と文章。この作風だともっと楽しい最後が合いそう。
最終選考に残った作品達は、全体的に絵はレベルが高かったです。文章については絵を見たら分かる事まで、説明している事が多く見受けられました。出来た文章を自分で最低100回は声に出して読み返してみては?子どもは気に入った絵本を信じられないほど繰り返し読み返すので、何回読んでも楽しい文章を目指してほしいです。取ってつけたようなハッピーエンドも、バッドエンドも、どっちも読み終わった後に残念な気持ちになります。よく考えてほしい。私も考え続けます。
主催:株式会社 ニコモ
協賛:株式会社光陽社

